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頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣プログラム
日独共同大学院プログラム(日本学術振興会)において、ドイツのミュンスター大学との間に築いた共同教育研究基盤をさらに発展させていくべく、本プログラムがスタートいたしました。
ドイツ側には新たにベルリン工科大学とギーセン大学を派遣先に加え、またこれまで「日独共同大学院プログラム」で派遣対象であった博士課程後期の学生にとどまらず若手研究者も派遣対象となり、今後国際舞台で活躍が期待される優秀な若手研究者を早い時期から海外での国際共同研究に参加させ、様々な課題に挑戦する機会を提供し、優れた研究者として鍛えていきたいと考えています。
頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣プログラム
主担当研究者 山口茂弘
日独共同大学院
−化学教育研究におけるミュンスター大学と名古屋大学の連携−
名古屋大学大学院理学研究科物質理学専攻および物質科学国際研究センターは、大学院後期課程における教育研究を協力して行うべく、本年度からドイツのミュンスター大学化学薬学系大学院と新たな共同大学院プロジェクトを開始しました。従来型の短期派遣留学制度にはない、新たな包括的教育連携体制を確立して、両大学院専攻の教育研究を国際化することを目的としており、名古屋大学は日本学術振興会(JSPS)から新パイロットプログラム「日独共同大学院(Japanese-German Graduate Externship)」として、ミュンスター大学はドイツ研究協会(DFG)のプログラム「International Research Training Group」として支援を受けます。
交流相手となるミュンスター大学は、ドイツで3番目に大きな大学であり、現在約39,000人の学生が履修登録し、毎年約5,000人の学生が卒業しています。同大学は120以上の広域にわたる研究分野を構え、多くの部局ですばらしい研究成果を挙げています。また同大学は国際的な側面も持ち、3,500人以上の留学生が学んでおり、世界中で400以上の研究機関と交流協定を結んでいます。
新プログラムでは、双方の大学院後期課程の学生を相手方大学院に数ヶ月間配属させ、博士論文の作成を協力して行うことを最大の特徴としています。交換大学院生は、所属する大学に提出する博士論文の一部に、派遣先の大学で指導を受けた研究活動の成果を加えることが求められます。さらに、相手国の学会発表、投稿論文の作成、セミナーの共同企画に積極的に参加する予定です。名古屋大学は、若手教員が共同教育研究活動に携わることによって、国際的な教育者として成長することも期待しています。
日独両国において、人材育成は科学技術政策の基幹をなす重要課題です。特に、大学院教育に課せられた責務は重く、高度で深い科学技術の基礎知識を教えるとともに国際的に活躍できる若手人材を養成することが強く求められています。特に、大学院生が初期の段階から国際的な環境下で教育を受け、自らが積極的に海外へ飛躍するための素地を養うことは両国の将来にとって極めて重要です。その先導役を、物質創造研究のCOE(中核的研究拠点)として認知されている名古屋大学とミュンスター大学が受け持つことに、我々は誇りと使命を感じています。
日独共同大学院日本側コーディネーター 巽 和行